
「残業時間が多い」ことが転職理由なら、どう伝える?

まずは建前の志望動機を用意し、面接で「残業が多くて転職したい」という本音を伝えましょう。
「残業時間が多い」「サービス残業が多い」という転職理由の応募企業への伝え方に悩んでいませんか?私も前職では毎日残業していたので、その気持ちがよく分かります。
ただし「残業時間が多い」ことを主な転職理由にすると、経験上、採用されにくいと考えています。
私は、まず建前の志望動機を作成し、面接で「残業時間が多い」という本音を説明することで内定を得ることができました。

がっくん
中堅企業で平社員だったがっくんです。就職倍率1000倍(2024名エントリー、採用2名)の超ホワイト企業に転職できた経験から、転職成功ノウハウを発信しています。
この記事では、私の経験をもとに、「残業時間が多い」ことが転職理由の場合の面接での伝え方や例文を解説し、併せて建前の志望動機の作成法を紹介します。
「残業時間が多い」ことの独自アンケートの結果

一般企業の採用担当者100名を対象に「残業時間が多い」ことが転職理由の応募者に対する印象について、アンケート調査を行いました。
「残業時間が多い」ことが転職理由の応募者の印象は? | |
---|---|
大変良い | 1% |
良い | 16% |
どちらでもない | 75% |
悪い | 8% |
その結果「どちらでもない」が75%、「良い」が16%である一方で、「悪い」と回答した採用担当者も8%いました。
「残業時間」に関する転職理由が多いことは、採用担当者も十分認識していると思われます。

しかし、いざ内定を出すとなれば、採用に値する一貫性ある志望動機と具体的な説明が必須と言えます。
「残業時間が多い」という転職理由のデメリット

「残業時間が多い」ことだけを転職理由にすると、採用担当者に以下のようなネガティブな印象を与える可能性があります。
・責任回避と見られる
・早期退職が懸念される
・プライベート重視と思われる
【1】責任回避と見られる(※残業時間が多いことだけが転職理由のデメリット)
残業が多くなる背景には、人手不足といった避けられない事情のほかに、個人の業務スキルやスケジュール管理が影響していることもあります。
採用担当者は前職でのあなたの働きぶりを知らないため、「責任を回避したいだけ」と映る可能性があるのです。

私も面接で残業について質問されたとき、具体的に深掘りされ、うまく答えられずに焦った経験があります。
【2】早期退職が懸念される(※残業時間が多いことだけが転職理由のデメリット)
単に「残業時間が多い」という理由だけだと、少しでも残業があればまた辞めるのでは?という不安を採用担当者に与えます。
企業は、採用や教育にかかる時間とコストを無駄にしないため、絶対に早期退職者を出したくないと考えています。

この点は本当にシビアで、私もわずかな早期離職の兆しを見せただけで、不採用になったことがあります。
【3】プライベート重視と思われる(※残業時間が多いことだけが転職理由のデメリット)
残業が多いために、転職してワークライフバランスを整えたいと考える人は多くいます。
本来、ワークライフバランスとは仕事と生活の調和を図り、仕事のモチベーションや生産性を高めるものです。
しかし、転職理由が「残業が多い」だけだと、プライベートを優先している人と思われる恐れがあります。

私も面接でプライベートや職場環境について聞かれたときは、慎重に答えるようにしていました。
「ワークライフバランス」を転職理由にする際の考え方は、下記の記事も参考になります↓↓
・「残業時間が多い」という転職理由のデメリット:責任回避、早期退職、プライベート重視のネガティブな印象を与える。
「残業時間が多い」という転職理由の本音と建前

リクナビNEXTの調査では、本音の転職理由として「労働時間が不満」だったと回答した人が14%(第2位)にも達します。
一方で、実際には38%もの人が「キャリアアップ」を理由に転職しています。これは、建前で志望動機を書く方が、圧倒的に採用されやすいからです。
ただし、本音である「残業時間が長い」という主張を犠牲にしろと言っているわけではありません。

私も転職活動を通じて残業時間が改善されました。だからこそ、本音については面接の場で伝えることをおすすめします。
・「残業時間が多い」という本音の転職理由があっても、多くの転職者が「キャリアアップ」を建前にしている。
「残業時間が多い」ことは面接で伝えるだけでOK

私の経験から、建前(キャリアアップ)の志望動機を用意しつつ、本音(残業時間が多い)は面接で伝えることをおすすめします。
転職後は、社内・取引先・顧客など、さまざまな場面で本音と建前を使い分けるビジネスパーソンが求められます。
実のところ、経験豊富な面接官はあなたにキャリアアップ以外に本音の転職理由があることを見抜いています。

だからこそ、面接で本音(残業時間が多い)を話すことにより、本音と建前の使い分けスキルをアピールすれば良いのです。
・建前(キャリアアップ)で志望動機を作成し、本音(残業時間が多い)は面接で話す。
「残業時間が多い」という志望動機のつくり方(※重要)

面接で「残業時間が多い」という本音の転職理由を効果的に伝えるための建前の志望動機(キャリアアップ)の作成法を解説します。

志望動機には、面接官に刺さる「型」があります。しかし採用される志望動機に必要不可欠なことがあります。
採用したい志望動機は「自分の強みを理解している」こと

8割以上の採用担当者は「自分の強みを理解している志望動機」を求めることが企業アンケートで分かりました。

つまり『強み』が反映されないと、採用される志望動機になりません。
半数以上の採用担当は自己分析しない応募者を採用しない

半数以上の採用担当者は「自己分析をしていない応募者は採用しない」と追加調査で答えました。また、9割が「自己分析済」か見抜けます。

『自己分析』をしないと半数が即不採用になるわけです。自己分析ナシでは強みが理解できないからです。
※すぐに自己分析をして自分の『強み』だけを知りたい方はこちら↓↓
最強の志望動機をつくる【2つの方法】
いちど自己分析で分かった『強み』を反映するだけで面接で何を突っ込まれても『絶対に』ブレない志望動機になります。

私は自己分析で分かった『強み』で志望動機を作り、倍率1000倍の企業に転職できました。以下に、これを試せる2つの方法を紹介します↓↓
私が実際に無料自己分析ツールで志望動機を書いた方法です。スマホで簡単につくれます↓↓
AIに自己分析結果を学習させて志望動機を書く方法です。転職理由もAIが考えてくれます↓↓

私は保険会社の営業職で、チームメンバーと協力して目標を達成してきました。しかし、前職では既存顧客への保険商品提案が主で、チームワークを発揮する機会が少なかったため、転職を決意しました。貴社は挑戦的なベンチャー企業であり、新規市場への進出やプロジェクト全体の一体感が魅力です。私はチームワークを活かし、新たな事業展開に貢献したいと考え、貴社を志望しました。

AIが書いた志望動機例文です。文字数指定で『履歴書用』も書けるので、利用した方に大変好評です。
「残業時間が多い」という転職理由の面接例文3選

志望動機をつくる2つの方法で建前の志望動機を用意できたら、面接で「残業時間が多い」という転職理由を伝えましょう。

以下のコツを押さえつつ、志望動機の後、あるいは面接官に転職・退職理由を尋ねられたときに、「残業時間が多い」ことも転職理由だと説明しましょう。
・残業時間が多いのは「不可抗力(自分ではどうしようもない)」
・残業によって「通常業務にまでしわ寄せ」がくるようになった
・残業時間を減らすために「努力したこと」について具体的に話す
・残業時間が多いのは「転職理由のうちのひとつ」だと強調する
・残業時間を減らすために「努力した経験を活かしたい」と話す
「残業時間が多い」ことを面接で伝える例文3選


転職理由(退職理由)を教えてください。
転職理由の面接例文①(※残業時間が多い本音の転職理由)
私は不動産会社で営業職を担当しています…(中略)以上の理由で貴社を志望しました。
実は現職では、顧客の要望に優先して応じる方針を取っており、物件の現地案内や資料作成、契約書作成など、時間がかかる業務も営業職がアシスタント業務を兼任しています。そのため、人員不足に陥り、常に残業が増加していました。残業時間を改善するため、営業職以外のスタッフにもアシスタント業務を分散し、物件の現地調査などを担当してもらいましたが、結果的には効果がなく、残業時間はますます増えてしまいました。残業により、家族との時間が減少し、通常業務にも悪影響を及ぼすようになったことも、転職を決意した理由です。貴社にご縁があれば、業務の改善や効率化に注力し、問題解決に向けて積極的かつ迅速に取り組むことで貢献したいと考えております。
※不動産会社営業職
転職理由の面接例文②(※残業時間が多い本音の転職理由)
現在、食品メーカーの販売職に就いています…(中略)以上の理由で貴社を志望しました。
なお当社は、商品の陳列やディスプレイ作成、在庫管理など、一人で行う業務が多く、その結果、日々の業務において、長時間にわたる残業が繰り返し発生していました。私は社員同士で積極的にコミュニケーションを取り、業務分担や業務効率化のアイデアを共有するよう提案しましたが、異動が頻繁にある環境のため、残業時間は改善されませんでした。このことが休暇や育児に充てる時間の減少につながり、通常の業務にも影響が出るようになったことが、転職を考えるきっかけにもなりました。貴社に入社したら、これまでの経験を生かし、社員同士がコミュニケーションを取り合い、常に顧客満足度を向上させるための業務改善を推進し、生産性の高い職場環境をつくって貴社の発展に貢献したいと考えています。
※食品メーカー販売職
転職理由の面接例文③(※残業時間が多い本音の転職理由)
私は現在、病院で経理職を務めています…(中略)よって貴社に応募しました。
また当院では、従業員の給与計算や勤怠管理など、一部手作業で行う業務があり、それが残業の常態化につながっていました。会計ソフトの導入による業務効率化を図りましたが、予算上の理由で十分な導入ができず、結果として残業時間はさらに増加してしまいました。このため、自己学習の時間が減少し、資格取得やスキルアップの学習に支障が出るなど、プライベートな時間にも影響を受けるようになったことも、転職を決意した理由のひとつです。この経験を活かし、貴社に入社できれば、情報システムの導入や効率化も視野に入れて、経理業務のスキルアップに取り組み、貴社の健全な財務管理に貢献したいと考えています。
※医療法人経理職

「残業時間が多い」という転職理由でも、より好印象を与えられる内容になりました。
「残業時間が多い」に関する私の転職面接体験談

「残業時間が多い」ことが直接の転職理由ではありませんでしたが、私も面接で退職理由や残業について答えたことがありました。
前職では、1〜2時間の残業は日常的で、始業の1時間前に出社しないと仕事が回らない状況だったため、時間外労働は少なくありませんでした。
とはいえ、私以上に日付が変わるまで働いたり、サービス残業に苦しんでいる方も多くいるのではないでしょうか。
面接を通じて感じたのは、残業の多さよりも、企業は「なぜ残業が発生するのか」を見ているということでした。
つまり、残業が個人のスキル不足によるのか、組織的な問題なのかで、評価のされ方が変わるという印象を持ちました。
どんなに優れた企業でも、ある程度の残業に対応できなければ、業務に支障をきたすこともあると思います。
また、企業の業績が好調でも不調でも、時期によっては残業が避けられないことも多いのが現実です。

転職では残業をネガティブに捉えるのではなく、改善策を考えたり、自己成長の機会と考える前向きな姿勢が評価されやすいと感じました。
「残業時間が多い」こととサービス残業の注意点

「サービス残業」とは、時間外労働に対して報酬が支払われない状態のことです。例えば自分でタイムカードを切り、会社に配慮して残業する等です。
本来は労働基準法に違反する行為ですが、実際には7割の労働者が経験しているとも言われています。
同じ「残業時間が多い」という転職理由だとしても、「サービス」という言葉を使うのは避けた方が無難です。

「サービス残業=自己犠牲」という印象を持たれやすく、採用担当者にとっては残業の背景が見えない限り、共感しづらいからです。
・残業が多いことを話す際は、「サービス残業」という言葉は使わないよう注意する。
転職成功テクニック

「残業時間が多い」という転職理由の面接対策に加え、ホワイト企業入社を叶える転職成功テクニックを紹介します。

私が倍率1000倍の転職成功時にも使ったテクニックです↓↓
・若手向けの「中規模転職サイト」を利用
・「人柄」特化の転職エージェントを利用
・面接で「家族のための転職」をアピール
若手向けの「中規模転職サイト」を利用

実は、私も含め転職成功者の32%は大手以外の転職サイトも利用して初めて内定しています。

大手サイトだけでは掘り出し求人を見逃すからです。そこで、ホワイト求人の多い「若手向け」中規模転職サイトを紹介します↓↓
「人柄」特化の転職エージェントを利用

残念ながら、自分の「人柄の良さ」を伝えきれずに不採用になる方がとても多いです。

しかし、「人柄」のアピールに特化した転職エージェントを利用すれば、圧倒的にホワイト企業に採用されやすくなります↓↓
面接で「家族のための転職」をアピール

面接で「家族のために転職する」ことをアピールすれば信頼性を示すことができます。

アピール方法は下記記事が参考になります↓↓
まとめ

以上、私の経験をもとに、「残業時間が多い」ことが転職理由の場合の面接での伝え方や例文、建前の志望動機の作成法を解説しました。
・「残業時間が多い」ことだけが転職理由の場合、デメリットとして面接官に責任回避をしている、早期退職、プライベート重視と思われる可能性がある。
・「残業時間が多い」ことが転職理由の場合でも、転職成功者の多くは建前としてキャリアアップを掲げて転職に成功している。
・「残業時間が多い」ことが転職理由の場合、建前の転職理由とは別に本音を面接で伝え、本音と建前を使い分けられるビジネスパーソンであることをアピールする。
・「残業時間が多い」ことが転職理由の場合、本音の転職理由に説得力を持たせるために、自己分析ツールで分かった強みをもとに建前の志望動機を作成する。
・転職成功テクニックを活用し、ホワイト企業内定を目指してください。

みなさんの転職成功を心から祈っております。