転職・退職理由がパワハラはNG?
志望動機はどう書いたら良い?
転職・退職理由がパワハラだけの志望動機はNGです。まずキャリアに沿った志望動機を作成し、パワハラがあった事実を面接で伝えましょう。
上司等からパワハラにあって、すでに退職した方や転職検討中の方も多いと思います。パワハラは深刻な問題です。
私も似たような経験があります。現在負担を感じている方は、心身に影響が出る前にとりあえず休んでください。
落ち着いたら、転職先への伝え方を考えていきましょう。結論としてはキャリアに沿った志望動機を書いたうえで、パワハラの事実を面接で伝えればOKです。
がっくん
中堅企業で平社員だったがっくんです。就職倍率1000倍(2024名エントリー、採用2名)の超ホワイト企業に転職できた経験から、実績がない人でも転職成功するノウハウを発信してます。
この記事では、私の経験をもとに転職・退職理由がパワハラである際の例文をわかり易く解説し、採用される志望動機の作成法も紹介します。
「転職・退職理由がパワハラ」独自アンケート調査
一般企業の採用担当者100名に対し「転職理由はパワハラ」という応募者の印象について、アンケート調査を行いました。
一般企業採用担当者100名への独自アンケート結果 | |
「転職理由はパワハラ」応募者の印象は? | |
大変良い | 2% |
良い | 9% |
どちらでもない | 82% |
悪い | 7% |
その結果、8割以上が「どちらでもない」と回答しました。「良い」「悪い」はそれぞれ同程度となりました。
採用担当者としても、良し悪しを判断する基準に困っているようですね。
パワハラの転職・退職理由の説明は具体的な内容に踏み込み、丁寧かつ慎重に採用担当者に伝える必要がありそうです。
「転職・退職理由がパワハラ」パワハラ定義と現状
国内におけるパワハラの定義
「転職・退職理由がパワハラ」の方は、パワハラ(パワーハラスメント)の定義について再確認しておきましょう。厚生労働省では以下のように定義されます。
職場での言動について、下記の3つの要素を全て満たすものがパワーハラスメントとされる。 ①優越的な関係を背景とした言動
職場におけるパワーハラスメント(厚生労働省)
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
③労働者の就業環境が害されるもの
特に、言動の頻度や継続性は考慮されるが、強い身体的又は精神的苦痛を与える態様の言動の場合には、1回でも就業環境を害する場合がある。
まとめると、業務上優位な立場から、業務に関係ない言動をされ心身に苦痛を感じたらたとえ1回でも立派なパワハラと言えますね。十分転職・退職理由になります。
厚生労働省による調査の結果、31.4%がパワハラ経験有
厚生労働省のハラスメント調査では、過去3年間で一度以上パワハラ経験が有る人の割合は31.4%にのぼるとのこと。
実に多くの人が経験していることが分かります。このような現状から「転職・退職理由がパワハラ」の実数はかなり多いと考えられます。
「転職・退職理由がパワハラ」なのは自分だけでないと分かれば、多少気が楽になります。
「転職・退職理由がパワハラ」企業が確認したいこと
「転職・退職理由がパワハラ」であっても、前提として企業が転職・退職理由(志望動機)に何を求めているか確認しておきましょう。
職業意識、勤労意欲、チャレンジ精神を確認したい(転職・退職理由がパワハラでも)
厚生労働省による若年者雇用実態調査では、企業は求職者の職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神(76%)を重視していると分かりました。
「転職・退職理由がパワハラ」に限らず、企業は「仕事をする意味や意欲、どんなキャリアを実現したいかというプラン」を転職・退職理由に求めます。
すぐに辞めない人材か確認したい(転職・退職理由がパワハラでも)
一般企業採用担当者150名のホンネ調査で7割以上の採用担当者は「早期退職者」をもっとも避けたい人材と考えていることが分かりました。
「転職・退職理由がパワハラ」の場合、もしパワハラのような状況が再度起こればすぐ辞めてしまうのではないか?という懸念を与える可能性もあります。
転職・退職理由を含む志望動機を書く際は、あくまでも実現したいキャリアについての説得力ある志望動機が必要ということです。
人事のホンネについてのアンケート調査結果は以下の記事で詳しく解説しています↓↓
「転職・退職理由がパワハラ」の志望動機【面接例文】
「転職・退職理由がパワハラ」の志望動機を書くポイント
面接で話す志望動機例文を紹介します。まずは転職・退職理由がパワハラの志望動機を書くポイントを解説します。
・転職・退職理由がパワハラだけの志望動機はNG
・志望動機自体は必ずキャリアに沿った内容を書く
・志望動機の後半でパワハラがあった事実に触れる
①転職・退職理由がパワハラだけの志望動機はNG
志望動機では転職・退職理由を書きますが、パワハラが原因で転職・退職した内容だけの志望動機は避けましょう。パワハラに似た状況に直面すると辞めてしまう人材に映るからです。
採用担当者は転職・退職理由がパワハラの経緯を聞いても、その原因があなたにあるのか、前の職場にあるのか判断できません。
②志望動機自体は必ずキャリアに沿った内容を書く
「企業が確認したいこと」で解説したように、転職・退職理由の本音がパワハラでもキャリアに沿った建前の志望動機を必ず書くことが肝心です。
企業は社内、顧客、取引先など入社後のあらゆる場面で本音と建前を使い分けできる人材を求めています。
建前の志望動機を書くことで「本音と建前の使い分けスキル」を示すことができ、採用されやすくなります。
キャリアに沿った建前の志望動機を上手につくる方法は後半で解説しています。
③志望動機の後半でパワハラがあった事実に触れる
転職・退職理由にパワハラ要因があることを伝えないと、あなたにとって不幸な再就職になるかも知れません。
そこで、キャリアに沿った建前の志望動機の後半に「パワハラが転職・退職理由でもある」ことを加えます。
採用担当者は人を見抜くプロです。あなたの本音がパワハラでも、きちんと建前の志望動機を書いている点を評価し、会社で採用可能か検討してくれます。
「転職・退職理由がパワハラ」の志望動機面接例文
「転職・退職理由がパワハラ」の志望動機例文です。(赤字)でパワハラ事実を述べています。
【志望動機面接例文①】
私は現職で自動車メーカー営業事務を担当し、営業部門のサポートや顧客のお問い合わせに真摯に対応することで評価を得てきました。顧客ニーズに合った商品提案に情熱を抱いていますが、現職では自社商品や職域に限界を感じ、より深く顧客ニーズに応えられる環境を求めて転職を決意しました。
貴社は生命保険業界の最大級の商品ラインナップを誇り、AIチャット問い合わせサービスの最速リリースなど、顧客ニーズに包括的に対応できる体制を整えています。
貴社であれば、より深く顧客ニーズに寄り添い、顧客満足度を追求することで貴社の発展に貢献できると考えて、志望いたしました。
現職では、担当地域の既存顧客にアプローチし、営業部に結果を報告する目標がありました。目標に達しなかった場合は、上司からの強い指示で長時間の残業を強いられ、通常業務に支障が出るまでになりました。営業部との連携により業務効率化を図りましたが、上司の部内で完結すべきとの意向があり、問題解決には至りませんでした。私はこの経験を活かし、貴社においては所属を越えて連携し、職務にあたりたいと考えております。
早期に求められる人材として活躍したいと考えております。何卒、宜しくお願い致します。
自動車メーカー営業事務職から生命保険会社営業職に転職
【志望動機面接例文②】
現在、私はアパレルメーカーで経理職を務めており、会社の財務・会計業務や予算管理を担当しています。アパレル業界では小規模な資金を扱うことが主流であり、より大きな資金を扱える経験を積みたいと考え、転職を決意しました。
貴社は不動産業界で高い実績と信頼性を誇り、経理部門でもキャリアアップの機会が豊富だと伺っています。さらに、充実した顧客サポート体制や不動産投資に関する高い専門性を備えておられます。
このような貴社の強みは、私が望んでいた大きな資金を扱う経理業務につながると確信し、この度応募致しました。
実は現職における経理業務には他に問題がございました。経理の業務では会計ソフトのミスが発生することがありました。こういったミスは、各担当者が行っていた入力作業の不備によるもので、本来ならば誰に責任があるのかを調べる必要があります。しかし、それに関係なく上司から圧力がかかり本来の業務以外にも無理な残業を強いられることもありました。担当者全員で再発防止に努めたものの、経理の業務には細かい作業が多く、上司の圧力によってミスが繰り返し起こる悪循環となっていました。貴社に入社できれば、経理業務において、適切な対応マニュアルを作成し、事前にミスを防げるように工夫したいと考えております。
アパレルメーカーの経理職で培ったスキルを活かし、貴社で更なる成長を遂げたい強い想いがあります。何卒宜しくお願い致します。
アパレルメーカー経理職から不動産会社経理職
「転職・退職理由がパワハラ」志望動機の注意点
「転職・退職理由がパワハラ」の志望動機を書く際の注意点を解説します。
・「パワハラ」という言葉の使用は避ける
・パワハラ被害の個人的な表現は避ける
・パワハラに対策した経緯を説明する
①「パワハラ」という言葉の使用は避ける(転職・退職理由がパワハラの注意点)
志望動機では「パワハラ」という言葉をそのまま使うのは避けましょう。「パワハラ」は自分に一切責任はない、というイメージで受け止められます。
「パワハラ」はこのようにやわらかい表現に言い換えるのがおすすめです。
②パワハラ被害の個人的な表現は避ける(転職・退職理由がパワハラの注意点)
パワハラ被害を個人的な感情で表現することは避けましょう。人間関係構築に問題がある人物とも受け取られかねません。
以下のように、あくまでも会社の業務上の課題として表現することがおすすめです。仕事面で冷静にパワハラを分析していたイメージがもたれます。
③パワハラに対策した経緯を説明する(転職・退職理由がパワハラの注意点)
志望動機ではパワハラに直面した困難と、改善するための対策、対策したが解決に至らなかった経緯を説明するのがおすすめです。
パワハラ被害は人間関係というより業務上の課題への対処というイメージで伝え、応募企業でパワハラ被害の経験を活かしたいことを述べればOKです。
「転職・退職理由がパワハラ」志望動機のつくり方(※重要)
「転職・退職理由がパワハラ」ならば、必ずキャリア中心の志望動機をつくる必要があります。この志望動機に説得力がないと「パワハラ」も理解されづらいからです。
志望動機には「型」が存在し、型に当てはめれば、面接官に刺さる志望動機は書けます。しかし採用される志望動機に必要不可欠なことがあります。
採用したい志望動機は「自分の強みを理解している」こと
一般企業の調査で8割以上の採用担当者は「自分の強みを理解している」志望動機を求めることが分かりました。
つまり強みが反映されていないと採用されない志望動機を書き続けることになります。
半数以上の採用担当は『自己分析しない応募者』は採用しない
採用担当216名の調査で半数以上が『自己分析をしない応募者』は採用しないと回答しました。また9割は面接だけで自己分析済か分かると回答しました。
『自己分析』をしないと半数が即不採用になるわけです。自己分析ナシでは強みが理解できないからです。
最強の志望動機をつくる【2つの方法】
『自己分析』を反映するだけで何を突っ込まれても『絶対に』ブレない志望動機になります。あなたの強みをもとに書くからです。
これだけで内定獲得率が何倍もアップします。実際、私も倍率1000倍の転職に成功しました。以下2つの方法から選んで書いてみて下さい。
私が実際に無料自己分析ツールで志望動機を書いた方法↓↓
AIに9分で自己分析結果を学習させ志望動機を書く方法↓↓
私は保険会社の営業職で、チームメンバーと協力して目標を達成してきました。しかし、前職では既存顧客への保険商品提案が主で、チームワークを発揮する機会が少なかったため、転職を決意しました。貴社は挑戦的なベンチャー企業であり、新規市場への進出やプロジェクト全体の一体感が魅力です。私はチームワークを活かし、新たな事業展開に貢献したいと考え、貴社を志望しました。
これはAIが書いた志望動機例文です。凄い精度ですよね。転職理由すらAIが考えます。文字数指定で『履歴書用』も書けるので、利用者の方に大変好評です。
「転職・退職理由がパワハラ」私のパワハラ体験談
前職で体験したパワハラ
私の場合「転職・退職理由がパワハラ」ではありませんでしたが、俗にいうパワハラに遭ったことはあります。
上司Aから資料作成を頼まれExcelで自作して提出したところ「なんでこういう表記になるの。分かりにくいでしょ。頭使おうよ。やり直し(ため息交じり)」と言われこれを十数回繰り返しました。
実は昨年度の資料をつくったのが上司Aで、その過去資料を最後に見せられ「こうやってやれば良いだけでしょ」とひとこと。
「いや、最初から見せろよ」とも言えず、しぶしぶ従いました。こういったことが何回も繰り返されました。
後になって別の上司Bに聞いた話では、上司Aは新米いじりの度が過ぎる傾向があると。いや、知らんがなという話ではあるのですが。
その上司Aのやり直し波状攻撃で、帰宅の日付が変わることもあり「これはまずいことになるぞ…」と思い始めたころに所属替えがあり、何とか難を逃れました。
「転職・退職理由がパワハラ」であって、現状悩んでいる方はなるべく早く別の上司や人事に相談することをおすすめします。
あの日々が続いていたら…と今でもぞっとします。
転職・退職理由をパワハラにすること
ある企業の面接で「前職の人間関係で不満点はありましたか」と質問を受けたことがあります。その際に、例の上司の話に少し触れました。
しかし、面接官の顔色があまり良くなかったので、慌てて「私も改善できるよう努力したのですが」と付け加えました。
面接は無事通過しましたが、パワハラの現状を伝えるだけでは理解されにくいこと、パワハラ問題に対して自分が対処した経緯まで伝えることが大切だと学びました。
「転職・退職理由がパワハラ」転職成功テクニック
「転職・退職理由がパワハラ」という方に、ぜひ実践して欲しい転職を成功に導くテクニックを紹介します。
私が倍率1000倍の転職成功時に駆使したテクニックです↓↓
若手向けの「中規模転職サイト」を利用
大手転職サイトだけの登録で満足していませんか?実は、私も含め転職成功者の32%は大手以外の転職サイトも利用して初めて内定しています。
大手だけを使うと中規模転職サイトの掘り出し求人を見逃すからです。下記では、ホワイト企業に内定する「若手向け」中規模転職サイトを紹介します↓↓
「人柄」特化の転職エージェントを利用
実は「人柄」こそ、最大の定着性のアピール法です。「人柄の良さ」を自分で伝えられないことが不採用の大きな原因と言えます。
しかし「人柄」のアピールに特化した転職エージェントを利用すれば、圧倒的に(ホワイト企業に)採用されやすくなります↓↓
「家族のための転職」を面接でアピール
面接で「家族のために転職する」ことをアピールすれば信頼性と定着性を示すことができます。私も実践しました。
アピール方法は以下の記事を参考にしてください↓↓
「転職・退職理由がパワハラ」の際に情報収集する方法
企業口コミサイト(転職・退職理由がパワハラの情報収集)
「転職・退職理由がパワハラ」の方は企業の口コミサイトを利用して、応募先企業の内情を把握することがおすすめです。
私も利用していましたが、口コミサイトには実際に企業に勤めている、勤めていた人の転職理由や企業の口コミが多数掲載されています。
特にパワハラ被害者の口コミがある可能性もあり、企業のパワハラ対策も知ることもできます。大手サイトだと転職会議が有名です。
SNS(転職・退職理由がパワハラの情報収集)
「転職・退職理由がパワハラ」であれば、Twitterで応募先企業の社員のつぶやきやリツイートした内容から、企業風土や社員の声をつかむことができます。
しかしSNSは、パワハラ等の繊細な情報の信ぴょう性について個人の判断にゆだねられます。
まとめ
以上、転職・退職理由がパワハラである際の志望動機のつくりかたと例文を紹介し、転職成功テクニックについて解説しました。
・「転職・退職理由がパワハラ」の方は、パワハラの定義と現状を確認しておきましょう。
・「転職・退職理由がパワハラ」の方は企業が転職・退職理由で(職業意識、勤労意欲、チャレンジ精神)(すぐに辞めない人材)を確認していることを覚えておきましょう。
・「転職・退職理由がパワハラ」だけの志望動機はNGです。キャリアに沿った志望動機、志望動機後半でパワハラに触れることで志望動機を完成させます。また、「パワハラ」という言葉の使用とパワハラ被害の個人的な表現は避け、パワハラに対策した経緯を説明しましょう。
・「転職・退職理由がパワハラ」の方は、キャリアに沿った建前の志望動機をしっかりつくりましょう。私が実践した志望動機作成法をぜひ試してみてください。
・「転職・退職理由がパワハラ」の方がホワイト企業に転職するために、私が実践した転職成功テクニックを活用してください。
・「転職・退職理由がパワハラ」の方が企業の情報収集をする際は、口コミサイト、SNSの活用がおすすめ。
みなさんの転職成功を心から祈っております。