
転職面接で「残業代が出ない」という退職理由はNG?

「残業代が出ない」だけではNGです。キャリアを目的とした志望動機を作成しましょう。
「残業代が出ない」ことを退職理由として面接で話すべきかどうか、悩んでいませんか?私も前職で残業代が支払われなかった経験があります。
単に「残業代が出ない」という退職理由だけでは、前職への不満として受け取られ、企業側にあなたの採用メリットが伝わりません。
まずは、キャリアを目的とした志望動機を作成し、採用担当者を納得させることが大切です。そのうえで、残業代についても触れましょう。

がっくん
中堅企業で平社員だったがっくんです。就職倍率1000倍(2024名エントリー、採用2名)の超ホワイト企業に転職した経験から、転職成功ノウハウを発信しています。
この記事では、私の経験から「残業代が出ない」ことが退職理由である志望動機の面接例文3選を解説し、志望動機の作成法も紹介します。
「残業代が出ない」という退職理由の調査

本サイトで「残業代が出ない」ことが退職理由である応募者の印象について、一般企業の採用担当者100名に独自アンケート調査を行いました。
「残業代が出ない」ことが退職理由である応募者の印象は? | |
---|---|
大変良い | 1% |
良い | 29% |
どちらでもない | 58% |
悪い | 12% |
その結果、印象が「どちらでもない(58%)」が最多で、「大変良い(1%)」「良い(29%)」「悪い(12%)」となりました。

「残業代が出ない」という退職理由をしっかり説明できなければ、悪印象に変わる可能性もありそうです。
・「残業代が出ない」という退職理由の印象:採用担当者の58%が「どちらでもない」と回答。
「残業代が出ない」ことは正当な退職理由

まず、面接で話すことを抜きに考えれば、「残業代が出ない」ことは退職理由として至って正当なものです。
残業代を請求することは労働者の権利であり、雇用主が残業代を支払わないことは労働基準法違反として罰則が科されます。
残業代が出ないことは完全に会社側の責任であり、責任を果たさない企業を退職したいという理由は、何ら責められるものではありません。

それでも、「残業代が出ない」ということを転職面接で話すことには、中途採用の選考試験において欠点(デメリット)が存在します。
第37条 使用者が、労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
労働基準法(昭和22年法律第49 号)
・「残業代が出ない」という退職理由は正当なもの。
「残業代が出ない」ことを面接で話す欠点

「残業代が出ない」という退職理由について、面接で話すときの欠点(デメリット)を解説します。
・不満を持ちやすいと思われる。
・仕事に対する意欲を疑われる。
・問題解決力がないと思われる。
不満を持ちやすいと思われる(※残業代が出ないと面接で話す欠点①)
「残業代が出ない」ことは、数多くの退職理由を面接で聞いてきた採用担当者にとって、些細なことだと感じる人もいます。
そのため、「残業代が出ない」という部分だけが強調され、応募者に対して不満を持ちやすい人という印象を抱かれるおそれがあります。
不満を持ちやすい人は、早期退職のリスクが高い人として、採用担当者にとって最も避けたい人材となってしまいます。

私も面接の際は、なるべく前職の不満にならないよう気を使っていました。
仕事に対する意欲を疑われる(※残業代が出ないと面接で話す欠点②)
「残業代が出ない」という退職理由だけでは、応募者の仕事に対する意欲を疑われるおそれがあります。
残業代について話せば、本人にそのつもりがなくとも、採用担当者は「お金のために働いている人」という印象を持つでしょう。
その結果、仕事そのものに対する情熱や意欲が不足していると見なされ、マイナスの印象を与えます。

このため、私は面接で仕事への意欲や自分のキャリアに焦点を当てて話すようにしていました。
問題解決力がないと思われる(※残業代が出ないと面接で話す欠点③)
「残業代が出ない」という退職理由だけでは、問題解決力がないと見なされることもあります。
残業代が出ないことに対して、自分なりに行動を起こしたことまで伝えなければ、問題から逃げてしまう人という印象を与えかねません。
残業代に限らず、転職後はさまざまな課題に直面します。採用担当者は、課題を意欲的に解決できる人材を求めています。

私は面接で前職の不満や弱みを聞かれたときは、改善のための努力まで伝えていました。
・「残業代が出ない」と面接で話す欠点:不満を持ちやすい、仕事の意欲、問題解決力を疑われる。
「残業代が出ない」よりもキャリアが目的

「残業代が出ない」という退職理由を面接で伝えるときは、先にキャリアを目的とした志望動機を作成しておきましょう。
リクナビの調査でも、転職者の38%は「キャリアアップしたかった」という建前の退職理由で転職に成功しています。
残業代が出ないことは、キャリアを目的とした志望動機に付け加えることで、ポジティブな印象に置き換えられます。

私もまずは志望動機を作り込むことで、採用担当者の信頼を勝ち取り、内定につなげました。
・残業代が出ない⇒キャリアを目的とした志望動機に加えて伝える。
「残業代が出ない」の志望動機のつくり方(※重要)

「残業代が出ない」という退職理由を面接で伝えるため、キャリアを目的とした志望動機のつくり方を紹介します。

志望動機には、面接官に刺さる「型」があります。しかし採用される志望動機に必要不可欠なことがあります。
採用したい志望動機は「自分の強みを理解している」こと

8割以上の採用担当者が「自分の強みを理解している志望動機」を求めることが企業アンケートで分かりました。

つまり『強み』が反映されないと、採用される志望動機にはなりません。
半数以上の採用担当は自己分析しない応募者を採用しない

半数以上の採用担当者は「自己分析をしていない応募者は採用しない」と追加調査で答えました。また、9割が「自己分析済」か見抜けます。

『自己分析』をしないと半数が即不採用になるわけです。自己分析ナシでは強みが理解できないからです。
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私は保険会社の営業職で、チームメンバーと協力して目標を達成してきました。しかし、前職では既存顧客への保険商品提案が主で、チームワークを発揮する機会が少なかったため、転職を決意しました。貴社は挑戦的なベンチャー企業であり、新規市場への進出やプロジェクト全体の一体感が魅力です。私はチームワークを活かし、新たな事業展開に貢献したいと考え、貴社を志望しました。

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「残業代が出ない」を含めた面接例文3選

志望動機をつくる2つの方法を使い、「残業代が出ない」ことを含めて書いた志望動機の面接例文3選を紹介します。

「残業代が出ない」という退職理由を伝えるときは、以下のポイントに注意しましょう。
・「残業代が出ない」ことを転職理由に付け加える。
・残業代が出ない「理由と期待」を具体的に述べる。
・残業代が出ないことは「転職理由の一つ」と述べる。
志望動機の面接例文①(※残業代が出ない退職理由を含む)

自己分析で分かった強み:協調性
私は不動産会社で営業を担当しています。担当エリアごとに営業担当者が情報共有や営業戦略を策定し、顧客に最適な物件を提案することで成約率を高めてまいりました。しかし、分業化が進み個人の成績が重視される風土において、より協調性を発揮してチームで仕事に取り組む環境で営業力を高めたいと考え、転職を決意しました。
また、現職では長時間労働が常態化しており、超過勤務に対する適切な支払いも行われていません。そのため、より自身の頑張りを適切に評価してもらえる職場で腰を据えて働きたいと考えたことも、転職理由の一つです。
貴社の自動車ディーラーでは試乗予約から車両購入後の整備まで営業担当者、営業事務スタッフ、整備スタッフが連携し、一貫した顧客対応を実現し、きめ細やかなサービスを提供していることに感銘を受けました。
私は各職員との連携をさらに強化し、現職の営業経験を活かしながら車両販売台数の向上に努め、成約率を高めることで貴社の発展に貢献したいと考えています。
※不動産会社営業職から自動車ディーラー営業職への転職
志望動機の面接例文②(※残業代が出ない退職理由を含む)

自己分析で分かった強み:人あたり(気配り)
私はスポーツ用品店で販売職を務めております。丁寧な接客を心がけ、信頼を築くことでリピーターを増やし、店舗の売上に貢献してまいりました。今後は、商品の売上だけでなく、接客を通じてサービスの質を高められる環境でキャリアアップしたいと考え、転職を決意しました。
また、前職では人手不足によるサービス残業によって、通常業務にも影響が出ていました。そのため、個々の社員の能力を存分に発揮できる職場でキャリアを積みたいと考えたことも転職理由の一つです。
貴社のホテルでは、社員の接遇マナーや観光案内サービスによる宿泊客へのホスピタリティに重点を置いた取り組みに大変魅力を感じております。
私は前職で培った接客経験を活かし、また宿泊客に利用していただきたいと感じていただけるような接遇スキルを更に磨き、リピート利用率を向上させることで貴社ホテルの発展に貢献したいと考え応募しました。
※スポーツ用品専門店販売職からホテリエへの転職
志望動機の面接例文③(※残業代が出ない退職理由を含む)

自己分析で分かった強み:サポート力
私は郵便局で内部事務員として勤務しております。正確かつ迅速なデータ入力や電話対応によって生命保険や融資担当者がスムーズに業務を遂行できるようにサポートしてきました。しかし、内部事務に留まらず、直接お客様と接する環境でお客様を支えながら、事務スキルを伸ばしたい思いから、転職を決意しました。
また、現職では事務業務のシステム化が遅れており、残業に対する手当もありませんでした。そのため、業務効率化を図り、職員や顧客に対してより良いサービスを提供できる職場で働きたいと考えたことも、転職理由の一つです。
貴院では予約システムの導入や医療事務員も積極的に患者と関わることを求め、患者対応を第一に考えている姿勢に魅力を感じました。
私は現職の事務経験を活かし、業務効率化や患者様に対する真摯な事務対応を通じて医療スタッフと患者様を支え、貴院の発展と患者満足度の向上に貢献したいと考えて志望しました。
※郵便局内部事務員からクリニック医療事務員への転職
「残業代が出ない」に関する私の面接体験

私も転職活動中の面接で、前職の残業状況や「残業代が出ない」ことについて話題になったことがあります。
前職では、就業時間を過ぎても一定の時間は残業代が支払われないことがあり、この点を面接で話しました。
しかし、面接官の反応は良くありませんでした。残業代の話だけでなく、残業の状況やそれに対する自分の考えを伝えきれなかったことが原因です。
また、転職エージェントを通じて、みなし残業代の引き上げを企業に交渉してもらった際も、交渉は難航しました。
一般的に企業は「残業代が出ない」といった話題に良い印象を持ちません。採用担当者は、ネガティブな話が中心になることを避けたいのです。
そのため、単なる不満と受け取られないよう、まずは自分を採用するメリットを企業に示す必要があります。
面接では、企業にとっての採用メリットを志望動機で伝えたうえで、「残業代が出ない」ことを退職理由として併せて伝えましょう。

私もこの考え方に切り替えてから、面接での評価が改善され、内定につながった経験があります。
転職成功テクニック

「残業代が出ない」という退職理由の面接例文に加えて、ホワイト企業の内定獲得率を高める転職成功テクニックを紹介します。

私が倍率1000倍の転職成功時にも使ったテクニックです↓↓
・若手向けの「中規模転職サイト」を利用
・「人柄」特化の転職エージェントを利用
・面接で「家族のための転職」をアピール
若手向けの「中規模転職サイト」を利用

実は、私も含め転職成功者の32%は大手以外の転職サイトも利用して初めて内定しています。

大手サイトだけでは掘り出し求人を見逃すからです。そこで、ホワイト求人の多い「若手向け」中規模転職サイトを紹介します↓↓
「人柄」特化の転職エージェントを利用

残念ながら、自分の「人柄の良さ」を伝えきれずに不採用になる方がとても多いです。

しかし、「人柄」のアピールに特化した転職エージェントを利用すれば、圧倒的にホワイト企業に採用されやすくなります↓↓
面接で「家族のための転職」をアピール

面接で「家族のために転職する」ことをアピールすれば信頼性を示すことができます。

アピール方法は下記記事が参考になります↓↓
まとめ

以上、私の経験から「残業代が出ない」ことが退職理由である志望動機の面接例文3選と志望動機の作成法について解説しました。
・「残業代が出ない」という退職理由の印象について、採用担当者の58%が「どちらでもない」と回答。
・「残業代が出ない」ことは、至って正当な退職理由である。
・「残業代が出ない」ことを面接で話す欠点は、不満を持ちやすい、仕事に対する意欲、問題解決力を疑われること。
・「残業代が出ない」ことは、キャリアを目的とした志望動機に加えて伝える。
・「残業代が出ない」という退職理由を面接で伝えるため、自己分析ツールで分かった強みをもとにキャリアを目的とした志望動機を作成する。
・「残業代が出ない」ことは、転職理由に付け加える、残業代が出ない理由と期待を具体的に述べる、残業代が出ないことは転職理由の一つと述べることがポイント。
・転職成功テクニックを活用し、ホワイト企業の内定獲得を目指してください。

みなさんの転職成功を心から祈っております。