「給料が低い」ことが転職理由なら、どう伝えれば良い?
面接で話す例文を解説します。先に、建前の志望動機を必ずつくっておきましょう。
景気低迷の影響もあり、「給料が低い」「給料が安い」ことが転職・退職理由の方は、年々増加しているように感じます。
私も前職で仕事量と給料が見合わなくなったことも転職理由のひとつです。しかし、給料が低いことだけを転職理由にすれば、企業側は採用に慎重になるのが現状です。
給料が低いことを伝える場合は必ず建前の志望動機を別で用意し、面接で「給料が低いことも転職理由の一つである」と伝えることが最も効果的です。
がっくん
中堅企業で平社員だったがっくんです。就職倍率1000倍(2024名エントリー、採用2名)の超ホワイト企業に転職できた経験から、実績がない人でも転職成功するノウハウを発信してます。
この記事では、私の転職経験から「給料が低い」ことを面接で効果的に伝える例文と、採用される志望動機の作成法を詳しく解説します。
「給料が低い」独自アンケート調査結果
当サイトで「給料が低い」ことが転職理由である応募者の印象について、一般企業採用担当者100名にアンケート調査を行いました。
「給料が低い」ことが転職理由の応募者の印象は? | |
---|---|
大変良い | 0% |
良い | 9% |
どちらでもない | 63% |
悪い | 28% |
その結果、「どちらでもない」という回答が最多で63%、一方で「悪い」という回答は28%に達しました。
「給料が低い」という転職理由は理解できても、企業にとって積極的に採用したい人材とは評価されないようです。
次は、「給料が低い」という転職理由におけるデメリットについて考えてみましょう。
「給料が低い」が転職理由のデメリット
dodaのアンケート調査によれば、転職経験者のうち「給与が低い・昇給が見込めない」ことが転職理由の人の割合は32.8%で総合1位です。
しかし、本音である「給料が低い」ことだけの転職理由では、採用に繋がるような好印象を採用担当者に与えるのはかなり難しいです。
例えば、実力主義、成果報酬型の求人に関して言えば話は別で、「ガンガン稼ぎたい」という方は、むしろ歓迎されるかも知れません。
職種:保険営業職
基本給:18万円~
※安心の基本給+別途インセンティブ(歩合率70%程度)
※未経験歓迎!
※転勤なし
【年収例】
1000万円/30代営業未経験(3年目)(月給20万円+インセンティブ)
しかし、多くの方にとって、実力主義の企業で年収を上げたいというより給料をベースアップさせたいというのが本音ではないでしょうか。
まず、単に「給料が低い」だけが転職理由の応募者は、採用担当者に悪印象を与えてしまう可能性があり、採用につながりにくいです。
・給料だけで判断する応募者
・企業文化に合わない応募者
・長期的な視野がない応募者
【1】給料だけで判断する応募者に見える(※給料が低いだけが転職理由だと)
給料が低いことを転職理由に挙げる場合、面接官から仕事に求めるものが給料だけである応募者に映ってしまいます。
私も前職より基本給が高い求人に応募しただけで「転職するのは給料を上げるためだけでは?」と面接で指摘されたことがあります。
【2】企業文化に合わない応募者に見える(※給料が低いだけが転職理由だと)
企業は、表向き「社員が給料以外の価値観や企業理念に共感し、その実現に向けて働くこと」を望んでいます。
しかし、給料が低いことが転職理由だと、その気はなくても、企業文化に適合するか疑いがあり採用を避けたい応募者と捉えられる可能性もあります。
そのため、私たちも企業同様に、表面上は別の志望動機を提示することが必要です。この記事では、そんな表向きの志望動機をつくる方法について解説します。
【3】長期的な視野がない応募者に見える(※給料が低いだけが転職理由だと)
給料が低いことが転職理由だと長期的な就労を見据えていないと誤解されることがあります。他に給与アップできる職場があれば、すぐ辞めるのでは?と疑われるわけです。
このように早期退職の可能性がある人材を企業は最も避けたいと考えます。採用にかけたコストも労力も早期退職されれば全て無駄になりますからね。
私も転職活動中、ほんの少しでも早期退職の兆候を見せれば即不採用になりました。企業に対しては、定着して長く働く意欲を示すことが最も重要なポイントです。
「給料が低い」転職理由は面接で伝える
「給料が低い」という転職理由の本音より「キャリアアップ」を志望動機にした方が採用されやすい
「給料が低い」ことを転職理由にすると、採用されにくいのが現状です。
実は、リクナビNEXTの調査で転職経験者のうち38%の人が、本音ではなく、建前の「キャリアアップ」という転職理由で転職に成功していることが分かりました。
要するに、建前の転職理由を志望動機として書く方が圧倒的に、採用されやすいということです。
本音(給料が低い)は面接で伝え、建前(キャリアアップ)の志望動機を用意する
しかし、給料アップが目的の場合、給料が改善されなければ転職成功とは言えませんよね。
そこで、企業に「給料が低い」という転職理由をしっかり認識してもらうため本音については面接で話し、応募書類は建前の志望動機を書くことがおすすめです。
実際に、私も転職活動では建前の志望動機を作成し、面接で本音の転職理由を伝えるハイブリッド型の志望動機で内定を獲得しました。
本音と建前の使い分けスキルをアピールする
入社後は、仕事におけるあらゆる場面で本音と建前の使い分けスキルが求められます。
・社員同士
・取引先
・顧客
そのため、企業は本音と建前を使い分けられるビジネスパーソンを求めています。
建前のキャリアアップを目指す志望動機をしっかりと用意し、面接で本音を伝えることは、あなたがビジネスパーソンとしての能力を示す良い機会でもあるのです。
建前の志望動機のつくりかたは後半で解説しています。
「給料が低い」転職理由の面接例文3選
「給料が低い」という本音の転職理由を伝える際のポイント
「給料が低い」という本音の転職理由は、自身のスキルや実績に見合わない給料に不満があると思われがちで、やや傲慢な印象を与えます。
私の転職経験から「給料が低い」転職理由を伝える際に押さえるべきポイントは以下の通りです。
面接で伝えるタイミング
「給料が低い」という本音を面接で応募企業に伝えるタイミングは建前の志望動機を伝えた後か、詳しい転職・退職理由について面接官に尋ねられたときです。
「給料が低い」ことが本音の転職理由の面接例文3選
当社を志望した理由は何ですか?
【1】労働時間に見合った収入が欲しい(※給料が低い転職理由を伝える面接例文)
労働時間を重視した説明方法です。熱心に働いていたにもかかわらず報酬が少なかった苦労を共感を得るために伝えましょう。具体的な業務内容と給与評価を述べることで説得力が増します。
私は生命保険会社の営業職として働いております…(中略)以上の理由で貴社を志望しました。
実は営業では担当地域があるのですが、現在、会社の方針で既存の顧客への営業活動に多くの時間を費やしており、そのために長時間の時間外勤務が生じています。しかしながら、このような営業活動に対する給与評価は低いため、成績に反映されず比較的に給与水準が低い状況です。このように労働時間に応じた給与評価が報われないと感じたことも転職を考えた理由のひとつです。
※生命保険営業職からその他への転職
【2】家庭の事情のため世帯収入が必要(※給料が低い転職理由を伝える面接例文)
自分の収入だけでなく、家庭全体の経済的な安定や生活水準の向上を目指していることを伝える方法です。家族を支える使命感にもとづく責任感や計画性をアピールして好印象を与えることができます。将来的に家庭を持ちたい希望を伝えることも良いです。
私は会計事務所で税務申告や会計帳簿の作成などの業務を担当しています…(中略)よって貴社に応募致しました。
現職での仕事にやりがいを感じているものの、会計事務所の場合、クライアントからの依頼に基づいて契約業務を行うことが多く、通常の税務申告といった業務は一定のルーティンワークであり、成果や業績による給与が支払われることは少ないのが現状です。実は、私は近々結婚を控えており、家庭を支えていくためにはより安定的な収入を得ることが必要だと考えたことも、一般事業者の経理職に転職を決めた理由のひとつです。
※会計事務所事務員から事業会社経理職への転職
【3】将来のための安定的な収入が必要(※給料が低い転職理由を伝える面接例文)
将来のための安定収入が必要であることをアピールする方法です。現在の経済状況で老後まで安心して暮らすことを希望するのは自然なことです。キャリアを真剣に考え、計画性を持って働く意欲を示します。前職や希望する業界の給与水準を調べ、将来の収入が安定することの必要性を強調しましょう。
私は自動車部品メーカーで機械オペレーターを担当しています。…(中略)以上の理由で貴社を志望しました。
なお、製造業界では、製品の需要や市況に大きく左右されるため、収入の安定性に欠ける場合があります。一方で、IT業界では、高い専門性を要する業務に従事して経験を積むことで、給与の安定性は高いと考えます。現職では製品の大量生産を基本にしているため、作業効率やコスト削減が重視され、生産作業に従事する労働者の給与水準も比較的低い傾向があります。私が従事している機械オペレーターの給与では、将来的に安定的な生活を送るには不十分だと感じたことも転職を決意した理由です。
※製造会社製造スタッフからITエンジニアへの転職
「給料が低い」という転職理由について、より具体的かつ採用担当者に受けがいい志望動機になっています。
「給料が低い」志望動機のつくり方(※重要)
建前(キャリアアップ)の志望動機さえしっかりつくれば「給料が低い」という転職理由を述べても、それを裏付ける大きな説得力が生まれます。
ここからは、そんな採用に直結する、建前の志望動機をつくる方法を紹介します。
志望動機には転職業界が考えた「型」が存在し、この型に当てはめるだけで、面接官に刺さる志望動機は書けます。しかし採用される志望動機に必要不可欠なことがあります。
採用したい志望動機は「自分の強みを理解している」
一般企業採用担当者に調査したところ8割以上の採用担当者は「自分の強みを理解している」志望動機を求め、評価していると分かりました。
つまり、そもそも強みが反映されていないと、採用につながらない志望動機を書き続けることになってしまいます。
半数以上の採用担当は『自己分析をしていない応募者』は採用しない
一般企業への追加調査で採用担当者の半数以上が『自己分析をしていない応募者』は採用しないと回答しました。さらに9割の採用担当者は面接で自己分析済かも見抜けます。
『自己分析』をしないと半数が即不採用になるわけです。自己分析ナシでは強みが理解できないからです。
最強の志望動機をつくる【2つの方法】
いちど『自己分析結果』を反映した志望動機さえつくってしまえば面接で何を突っ込まれても『絶対』にブレない志望動機になります。そもそも、あなたの強みで書くからです。
私は自己分析結果をもとに志望動機をつくり、実際に倍率1000倍の企業にも転職できました。以下に試していただける2つの方法を紹介します↓↓
私が実際に無料自己分析ツールで志望動機を書いた方法です。スマホで簡単につくれます↓↓
AIに自己分析結果を学習させて志望動機を書く方法です。転職理由もAIが考えてくれます↓↓
私は保険会社の営業職で、チームメンバーと協力して目標を達成してきました。しかし、前職では既存顧客への保険商品提案が主で、チームワークを発揮する機会が少なかったため、転職を決意しました。貴社は挑戦的なベンチャー企業であり、新規市場への進出やプロジェクト全体の一体感が魅力です。私はチームワークを活かし、新たな事業展開に貢献したいと考え、貴社を志望しました。
AIが書いた志望動機例文を貼っておきます。人間が書いたみたいですね。文字数指定で『履歴書用』も書けるので、利用した方に大変好評です。
「給料が低い」私の転職体験談
給料が低いことが直接的な転職理由でなくとも、前職の給与について面接で話題に挙がったことは何度も経験してきました。
給料について話すことはデリケートな話題で、明るく質問に答えていた面接官が給与について話し出すと急に雰囲気が変わることもありました。
最終面接まで問題なく進んでいたのに、最後の重役面接でエントリー時に書いた希望年収に懸念を持たれて、不採用になった経験もあります。
給料の不満を述べると、消極的な印象を与えることが多いかも知れませんが、給料の使い道を説明することで、ポジティブに受け止められることを学びました。
そのなかでも、最も理想的な採用担当者への説明方法は、やはり家族を支えるために給与をアップしたい旨を伝えることです。
私が転職経験を通じて実感した、採用担当者の不安を払拭し信頼感を与える方法は、家庭を理由にした志望動機を作ることです。
また、給与交渉に関しては、転職エージェントに頼ることが最も迅速かつ安全です。デリケートな交渉をプロに任せる手段もあります。
「給料が低い」給与交渉の例文
「給料が低い」がことが転職理由である場合、転職後年収をなるべく上げたいことは当然だと思います。今回はそんな給与交渉に関して簡単に解説します。
給与交渉は内定が出てから(※給与が低いことが転職理由の場合)
最終面接の段階で給与交渉しても、良い印象を与えることは難しく、内定後に給与交渉を行うことが一般的です。内定通知後の給与交渉メール例文を紹介します。
株式会社○○
人事部 採用ご担当者様
この度は、採用内定のご連絡をいただき誠にありがとうございます。大変嬉しく、今から貴社で活躍できることを楽しみにしております。この度はご提示いただいた給与条件に関してご相談したく、ご連絡いたしました。
労働条件通知書でご通知頂いた年収350万円でございますが、現職年収を大きく下回るものであり、大変恐縮でございますが、現職年収を考慮頂き再考して頂くことは可能でしょうか。
現職で培った経験、スキルを早期に活かし、いち早く貴社の即戦力となれるよう尽力致します。
大変勝手な希望ではございますが、ご再考頂ければ幸いです。何卒宜しくお願い致します。
転職エージェントも活用できる(※給与が低いことが転職理由の場合)
「給料が低い」ことが転職理由で、給与交渉をスムーズに進めるためには、転職エージェントに給与交渉を任せることもおすすめです。
私も、エージェントに交渉をお願いすることで提示年収より数十万円アップした成功体験があります。自分だけで実現するのは、難しかったと思います。
転職エージェントのなかには、企業の採用担当者と深い関係があり、年収交渉しやすいという利点があります。
「給料が低い」転職成功テクニック
「給料が低い」転職理由に加えて、ぜひ実践して欲しい転職を成功に導くテクニックを紹介します。
私が倍率1000倍の転職成功時に駆使したテクニックです↓↓
若手向けの「中規模転職サイト」を利用
大手転職サイトだけの登録で満足していませんか?実は、私も含め転職成功者の32%は大手以外の転職サイトも利用して初めて内定しています。
大手だけを使うと中規模転職サイトの掘り出し求人を見逃すからです。下記では、ホワイト企業に内定する「若手向け」中規模転職サイトを紹介します↓↓
「人柄」特化の転職エージェントを利用
実は「人柄」こそ、最大の定着性のアピール法です。「人柄の良さ」を自分で伝えられないことが不採用の大きな原因と言えます。
しかし「人柄」のアピールに特化した転職エージェントを利用すれば、圧倒的に(ホワイト企業に)採用されやすくなります↓↓
「家族のための転職」を面接でアピール
面接で「家族のために転職する」ことをアピールすれば信頼性と定着性を示すことができます。私も実践しました。
アピール方法は以下の記事を参考にしてください↓↓
まとめ
以上、私の転職経験から「給料が低い」ことを面接で効果的に伝える例文と、建前の志望動機のつくりかたについて解説しました。
・「給料が低い」ことだけが転職理由だと、採用担当者に対して給料だけで判断しているように見える、企業文化に合わないと判断される、長期的な視野がないように見える等のデメリットは避けられません。
・「給料が低い」という本音の転職理由は面接で伝え、別で必ず建前の志望動機をつくります。転職成功者は建前の志望動機で転職しています。本音と建前を使い分けるビジネスパーソンを目指してください。
・「給料が低い」という転職理由を面接で伝える際は、労働時間に見合った収入が欲しい、家庭の事情のため世帯収入が必要、将来のための安定的な収入が必要というポイントを押さえて企業側が納得する転職理由にしましょう。
・建前の志望動機は、「給料が低い」という転職理由に説得力を持たせるために必ず必要。自己分析をしてから志望動機をつくることが最強です。
・「給料が低い」ことが転職理由の場合、給与交渉もひとつの手段。内定後にメールで相談しても良いでしょう。
・内定獲得のために、私が実践した転職成功テクニックを参考にして下さい。
みなさんの転職成功を心から祈っております。